はりねずみ通信

2016.08.08

時間を長く感じる方法

前回のつづき。
生活していると時間を長く感じたり、短く感じたりすることがある。なぜか?
脳神経学者のDavid Eaglemanによると、時間感覚は人間の脳が情報を処理する時間と深い関係があるとのこと。
Buffer(おそらく脳神経学者、ネットからの孫引きです)は、「1日の時間を長く感じるための5つの方法」を公開している。

Eaglemanによると、パソコンの画面に同じ靴の画像を何度も表示させ、ごくまれに花の画像を混ぜると、すべての画像は同じ時間で表示されているにもかかわらず、花の画像を見ているときだけ時間を長く感じるという。つまり、脳に新たな刺激を与えることが、時間を長く感じるためのツボなのである。
では、5つの方法とは。

1.学習し続ける
2.新しい場所への訪問
3.新しい出会い
4.新しいアクティビティーへの挑戦
5.自発的な行動

私が旅行したときに時間を長く感じたのは、これらがかなり当てはまっている。
「新しい場所への訪問」はまさにその通りで、生まれて初めてスイスに行ったので、見るもの聞くもの、空気や景色はすべて新鮮だった。
「新しい出会い」では、こんなことがあった。もともとヴァイオリニストのカバコス(ギリシャ人)のバイオリンの音色に惹かれ、今回「生で」実際の音が聞けるのを楽しみにしていた。それが叶ったのは最高だったが、偶然にもカバコスが泊まっている宿が同じだったのである。階下で練習する音が聞こえたり、出かけるときにエントランスで出会ったり、レストランで他の奏者と食事をしているのに遭遇した。
「アクティビティー」と言えるかわからないが、ロープウェーで標高3000メートルくらいまで登り、散策した。
「自発的な行動」では、おおまかな行動予定は決めていたが、あとはその都度決めて動いたので、面白そうなコンサートがあればチケットを買って出かけたり、ホテルのレストランが昼はとても空いていたので、毎日時間を気にせず山を眺めながら食事をしたりした。
そういうことが重なって、時間感覚に変化がもたらされたようだった。
だいたい4倍くらい時間を長く感じたので、得した気分である。楽しい時間は長いほうがいい。

帰国して思った。
これからも動物医療に懸命に取り組もう。
でも、アプローチは少し変えてもいいかもしれない。
隙間なく予定が組まれているような仕組みでは、せっかく好きな仕事が早く過ぎ去ってしまう。
スケジュールをこなす、という感じでは本当は自発的な行動でも、「お仕着せ」と脳はとらえるだろう。

具体的にどうするかはこれからの課題だが、あまりに早く過ぎ去ってゆく毎日を、もう一度見直してみたい。

 

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ゆっくり

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