はりねずみ通信

2016.04.26

日記

昨日から手術室の内装工事が始まった。

IMG_8153
天井裏に空調設備が入る下準備のようである。

昨日はフェレットの腹腔鏡下副腎摘出を行った。
フェレットは「イタチ」の仲間の動物で、副腎疾患が多い。副腎から雌性ホルモンが過剰に分泌されるようになり、外陰部の腫大や左右対称性の脱毛を引き起こす。
フェレットのミミちゃんは、左の副腎が腫大し、これらの症状を引き起こしていた。

腹腔鏡下でフェレットの副腎を摘出するには、いくつかの困難な点がある。
・体重が1kg未満のことが多く、トロッカー(器具を入れる筒状の道具)が正中にしか入れられない(犬のような理想的な配置ができない)。
・気腹(炭酸ガスで腹腔を膨らませ操作のスペースを作ること)や、人工呼吸器に高い精度が求められること。
・小さなスペースで、剥離、止血、結紮などをしなければならない。

けれど、ひとたび腹腔内に入ってしまえば、小さな臓器(副腎は数ミリの大きさ)がモニターに拡大され、微小な血管系が鮮明に描出できる。手術の覆布(おいふ)がかかっていなければ、こんな小さい動物の手術をしているとは、だれも思わないだろう。
小さい動物にこそ、メリットが大きい手術だと思う。

手術後の経過は良好で、今日退院する。
がんばったね!

IMG_8152

1件のコメント

  • 先生、フェレットのミミの家族の者です。通信に載せて頂き有難うございます。ミミの手術お世話になりました。無事に終わりホッとしております。以前もワンちゃんの膝関節脱臼の手術もして頂きまして、お世話になりっぱなしです。何か大きな病気をしても、かない病院に行けば助けて頂ける!と言う安心感…そんな病院が近くにあって良かったと思っています。ミミですが退院して食欲もありヤンチャもし手術した後とは思えない程、元気にしております。本当に有難うございました。まだ経過観察が必要ですが今後とも宜しくお願い致します。

    • 坂本さま、ご覧になっていたんですね(^^)
      ミミちゃんは小さな体でよくがんばりましたね。元気で過ごしてほしいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

最近のコメント

2023年
2020年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年