はりねずみ通信

2016.03.23

指導者のエネルギー2

ヘルベルト・フォン・カラヤンといえば、ベルリンフィルの黄金期を作った偉大な指揮者である。
交響曲などに非常に多くの録音があり、学生の頃よく聴いた。が、正直言うとそのもったいぶったような雰囲気が気になり、あまり好きな指揮者ではなかった。
どちらかというと、ベームやブロムシュテットのように、作曲者の作ったものを忠実に再現する職人のようなタイプの指揮者を好んでいた。
ベルリンフィルのうねるような重厚な響きに、カラヤンのくどいほどの情緒性が加わる。すると、うんざりする、とまではいかなくても、「一緒に陶酔できない」と気持ちが引いてしまう。

ところが先日、カラヤンがオペラを作り上げる映像をみて、彼の真骨頂はやはりオペラなのだ、と思った。
オーケストラや歌手たちを指導するエネルギーが、半端ではない。
舞台装置や照明、台詞回しなどの細かいところにまで、自分のイメージを浸透させようとする。オペラ歌手と一緒に自分も歌い、役者になり切り、舞台でみずから演じてみせる。
今はオペラは分業制になり、オーケストラはオーケストラ、役者は役者で作品作りを進めるようだが、カラヤンの時代では、オペラ作りのすべての権限は指揮者にあったようだ。

独裁者といわれたり、自意識過剰と評価されることもあるカラヤンであるが、一時代を築いた偉大な指揮者であることは間違いない。
そういう大きな仕事をする人には、それに値するエネルギーが内在しているのだろう。

よし、今日もパワー全開で!

 

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せなかあわせ

 

 

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