はりねずみ通信

2015.11.07

人間と動物の「食」の違い

私たち人間は、毎日三度三度の食事を摂らなければならない。
これはだいたい世界共通のようで、1日1〜2食で生活している国のことはあまり耳にしない。何らかの理由で貧しい生活を強いられているときは、食事回数が少なくなるかもしれないが、1日3食、というのは基本概念としてある。(先日知ったが、ドイツ人は朝ご飯を2回食べるのだそうだ。ということは1日4食)

実はこれは人間の特殊事情なのだ。
身体の中で一番エネルギーを使う場所はどこか。それは、脳である。人間は他のほ乳類と比較しても、とても大きな脳を持つ。エネルギーの使用量は半端ではなく、常に大量の栄養を必要とする。同じ霊長類のチンパンジーやゴリラより、その量は多く、彼らが植物を主体にした食生活をしているのに対し、私たちは肉を含む蛋白やカロリーが多い食事を大量に摂らなければならない。

さらに、人間は食事を加熱し、消化吸収をよくしている。
もし食物を加熱しないとすると、24時間食べ続けても、必要栄養量は補えないのだそうだ。
(ゴリラの必要栄養量は少ないが、彼らは食事を加熱しないため、起きている間はずっと食べている)

「今日は忙しくて、昼ご飯が食べられなかった」
というとき、なんとなく後ろめたさを感じるのは、三度の食事を摂れなかった、という呪縛に拠るものであろう。その呪縛はおそらく脳が作っている。もっと食べなければ、脳が干されてしまうからである。

犬や猫はどうだろうか。
チンパンジーよりも、脳の容積は少ないので、エネルギーの必要量はそれほど多くないはずである。であれば、食事回数は人と同じにする必要はないかもしれない。
ただ、人と暮らしてきた歴史が長いので(犬は1万年、猫は3千年)、同じようなタイミングで食べてきた習慣はあるが・・。

犬や猫たちは、ときどき食事を食べない日がある。
人間の感覚で言うと、「大丈夫だろうか?」と思うかもしれないが、彼らの祖先のオオカミや山猫は、獲物が捕れず、食べられない日があってあたりまえだった。

人間と動物はちょっと違うと知っているとよい。
食欲がないときでも、(元気であれば)それほど慌てなくてもいいのである。

 

IMG_7405
腹腔鏡下の胆嚢摘出をしたカイトちゃん
今日退院の予定。がんばったね。

 

 

 

 

 

 

 

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