はりねずみ通信

2015.10.07

ノーベル賞

ノーベル医学生理学賞を、北里大学の大村智さんが受賞した。
イベルメクチンという物質を土壌の微生物から発見し、アフリカの風土病であるオンコセルカ症予防した功績・・というと、ぴんとこない方もおられるかもしれない。
このイベルメクチンという薬の名前、聞き覚えがないだろうか。そう、これは犬のフィラリア症予防薬なのである。

オンコセルカ症は、フィラリア症に似たブヨが媒介する病気。回旋糸状虫という寄生虫が人の失明を引き起こすが、イベルメクチンを年に2回飲むと、予防できるといわれている。イベルメクチンによって、多くの人が救われたが、その恩恵が世界中の犬(また、猫も)にも及んでいることは、あまり報道されていない。

私が大学を卒業し、はじめて勤務医になった少し前に、イベルメクチンは犬のフィラリア予防薬として使われるようになった。それまではフィラリア予防薬は「毎日の薬」だったのである。
フィラリアを予防するため、5月から12月まで投薬するとする。予防の薬を240日間も欠かさず投薬できる人がどれくらいいるだろう。やはり、ときどき忘れたりするはず。月に1回で効く、という薬の効果が、いかに重要かわかると思う。

え?月に1回でも忘れることがある?
それは大村さんには言わないように。

 

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ごちゃ

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