はりねずみ通信

2017.02.01

トラックボール

今使っている超音波検査装置には、操作パネルの中央にトラックボールがある。
最近の機械はウインドウズなどのOS(オペレーションシステム)をベースに作られているので、カーソル操作のために必要なのである。トラックボールを指で転がし、カーソルを動かす。

昨日、トラックボールの動きが悪く、回してもカーソルが思うように移動できない。隙間にホコリが貯まったようだった。
そこでボールの部分を外し、中を掃除しようと思って驚いた。
ボールを外したあとの空間が、ものすごく美しかったのである。
凹みの内面は透明ガラスになっていて、内側の電子基板が透けて見える。その基板の隙間にブルーの光源がバランスよく配置され、精巧な基板を照らしている。ちょうど凹みが逆さにしたプラネタリウムのよう。
ちょっとシビれる美しさなのだ。

いったい誰がこんなふうに作ったのか。
普段は目に触れない場所だから、内側は不透明なプラスチックでも十分である。基板の配置も、わざわざ凹みの曲面に合わせ規則正しく配列させる必要はないはず。
おそらく、制作に携わったエンジニアの美意識なのだろう。クールだ。

iPhoneを作ったスティーブ・ジョブズは、
「機械は、誰も見ない内部を美しく仕上げなければならない」
と言っている。iPhoneの内部は、さまざまなパーツが整然と並んでとても美しいのだそうだ。
また、製造工場のラインは、床や壁もきれいに塗装されて、見た目に美しくなっているとのこと。
ジョブズの父親が家具を作る仕事をしていたとき、誰も見ることのない家具の内部を心を込めて美しく仕上げていた。彼はそれに強い影響を受けた。そう本には書かれていた。

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トラックボール。外から見ると普通。

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ボールを外すと・・

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部屋の照明を落とすと、小宇宙が現れる。

まるでスターウォーズの世界。かっこよすぎる。

 

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