はりねずみ通信

2017.05.13

関節鏡

飼い主さんと話をしていると、腹腔鏡手術はイメージがわくようだが、関節鏡手術は「よくわからない」という表情をされることが多い。「関節の中にカメラを入れて、器具も入れます」というと、そんなことが(物理的に)できるのか?という顔をされる。

関節鏡は腹腔鏡のミニチュア版、といえばそうかもしれないが、いろいろ違いがある。
・内部を見るにはスペースがいるが、腹腔鏡では「気腹」といって炭酸ガスで膨らませる。これに対し関節鏡では専用の環流液を使う。つまり、液体で膨らませる。
・腹腔鏡にはカメラ係がいるが、関節鏡では術者が片手でカメラを持ち、反対の手で器具を持つ。ただし有能な助手が必要で、関節内が見えやすいように、肢(あし)をよい位置にコントロールする必要がある。
(私はどちらの手術もするので、時々混乱する。関節鏡でうまく見えないとき「カメラ係、もっとしっかり!」と思うが、よく考えたらカメラ操作しているのは自分だった・・、みたいな)

犬の膝関節では、カメラを関節内に入れたからといってすぐに見えるわけではない。これも腹腔鏡と違うところ。
関節内の脂肪が視野を妨げるので、シェーバーという器具を使って脂肪を除去する。トイプードルくらいの小型犬だと非常に小さなスペースでこれを行わなければならないので、とても難しい。
今は慣れたので15分くらいで滑車溝、前十字靱帯・後十字靱帯、半月板など関節内の状態が観察できるが、取り組みはじめたときは「永遠にできないんじゃないか」と思ったものである。

関節の中は素晴らしくよくできている。
「関節は蝶番(ちょうつがい)ではなく、器官である」
と専門医の先生は言っていたが、本当にそう思う。

 

IMG_0230
モニターに映る画像は、小宇宙である

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トイプードルの膝。関節鏡検査の動物への負担は、きわめて小さい。

2件のコメント

  • 約3週間の入院でしたが、本当にいろいろとお世話になりました。
    レックスが入院したら、私の母も急にいろいろとあり、朝レックスの面会後、母を病院へ、そのあと夕方レックスの面会に。母もレックスにあわせるかのように体調くずさんといてほしいわ(泣)レックスの退院後は、人生初のエリザベスカラー。入院中に皆さんがしっかり躾してくれてたおかげで、レックスはじっとしてるのですが、私がヘタクソで、もう腰の痛いこと(泣)30分はかかってましたが、今はずいぶん上手くなりました。なのに母が家でこけたと。今は元気ですが、もう本当にええかげんにしてや(>_<)
    あっと、ながながとなりすいません。
    という事で、お礼のコメントが今頃になってしまいました。
    ありがとうございました。はやくプールに入りたいレックスですが、私の管理しだいですね。今はドライブを満喫してるレックスです。ドライブ中と散歩中は、カラーはずしてるのですが、たまに耳をかこうとするので要注意。
    また来週予約いれてるので、診察よろしくお願いします。

    • レックスさん、普通は問題ない手術ですが、レックスは頭がよすぎて傷の管理が難しかったです。でも、頑張って治療した甲斐があったと思いますよ!

  • 皆さん、入院中は、朝夕と散歩につれていく時、怪獣のような犬が待合室を通り、レックスを知らない方は怖い思いされたと思います。すいませんでした。
    レックスをご存知の方々、心配して頂き本当にありがとうございました。
    皆さんへのお礼も遅くなり、すいません。
    おかげさまで、退院して1週間後の診察では、バッチリとのお言葉を頂きましたが、まだまだ私的には、このような性格ゆえ、気を抜かずに頑張ってます。
    これからもよろしくです。

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