はりねずみ通信

課題の分離、犬の場合

人間の悩みはすべてが対人関係にある、と心理学者のアドラーは言っている。
相手の領域に踏み込んでしまうことが問題の発端になることが多いため、課題の分離が大切だと説いた。
「それは誰の課題であるか」
それを明確に線引きすることにより、自立の心が生まれる。
自分ができることは、自分の課題に取り組むことだけである。

この「課題の分離」は、犬にも当てはまるのではないか、と思う(猫はたぶん違う・・)。

多くの犬は、たった1匹で人間の社会に投げ込まれる。
はじめて新しい家庭に来たときは、家族の目が自分自身にいっぺんに降り注ぐ。
そういった視線を受けながら成長すると、自分が何かの行動をしたとき、人間が反応することを学習する。
「吠えてみたら、振り返った」
「食事を食べなければ、かまってくれた」
すると、多くの振る舞いが、周りの人間を意識したものになってしまう。
自立する気持ちがなくなり、常に人と一緒でなければ不安になる。逆に、気に入らないことをされると怒りの感情が起こる・・。

本来、犬は多くの兄弟と共に生まれ、他の犬と一緒に集団で生活する生き物である。
おのずと、自らへの注目度は低い。
他者とのバランスを保ちながら、自分は自分で生きてゆかねばならない。
そうして自立して生きるのが、本来の姿であろう。
(実際、犬のしつけとして、集団生活を利用するものもある)

だから、人間が犬と一緒に暮らすときは、ちょっと注意が必要である。
彼らの課題に介入してはいけない。
なにかにつけ反応すると、依存する気持ちが生まれ、犬の「自分の力で生きよう」という心を阻害する。
適度に距離を置くのがいい。
また、意外に思われるかもしれないが、人間自身が、犬に依存する場合もある(自分では気がつかない場合も多い)。

相互に自立しながら、調和を持って一緒に暮らす。
それが理想の犬と人の関係ではないか。



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そこにいた

 

「課題の分離、犬の場合」への2件のフィードバック

  1. 適度な距離を保つのは難しいです。
    私はかまい過ぎてて、仕事復帰後の留守番が無事出来るのか今から不安です。
    休む前はサークルに入れても暴れてなかったのに、今は入れると中で暴れます。
    落ち着くまでに1時間以上かかる日もあります。
    今からでも適度な距離を保つと落ち着くようになるんでしょうか

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