はりねずみ通信

2017.01.16

言語化する

小さな子供が反抗期になる。親からの介入が煩わしくなり、自分でなんでもしたくなるのは、成長の証である。反抗、という形をとるのは、複雑な自分の気持ちをうまく表現できないから、という側面もある。
人間は言語化できないと、なんらかの不安な状態におかれる、という例である。

一緒に生活している動物が病気になったとき、多くの人はとても不安になる。
重い病気ではないのか、いったいいつまでこの症状が続くのか、なぜこの病気になったのか。
動物病院に来院する理由は、「病気を治したい」ということが一番であるかもしれないが、「とらえどころのないものを理解したい」という気持ちも大きいはずである。

私たち(獣医師)が取り扱う仕事のうち、相当な割合を「病気というとらえどころのないものを言語化する」ということに当てる必要がある、としばしば思う。
病気の治療そのものは、知識や技術面のことであるので、いわばこちらの仕事である。
飼い主さんの腑に落ちるように病気の説明をし、一緒に取り組んで行く基盤をまず最初につくらねばならない。

話をしていて、一瞬でも相手が「?」という顔をしたら、絶対に別の言葉に言い換えなければならない。
なぜなら、飼い主さんは「わからない」と自分から言うのは気が引けるからである。
育ってきた環境や地域差など、その人の背景により、言葉を受け入れる素地が大きく異なる。だから、いくつもの言い換えを用意したい。

そのためには、本を読んだり、言葉に対する感性を磨かねばならないなあ、と(今年も)思っている。

 

1件のコメント

  • 先生、こんばんは。
    今日は予約していたのですが、身内に不幸がありまして行けずにすみませんでした。
    ジュディーは昨日病院から帰って来て、初めて自分からウェットのご飯を食べました!
    昨日はほんの少しでしたが、今日は何度か食べてくれました。
    猫用の焼かつおが効いたみたいです。
    まだ食べる量は少ないですが、徐々に増えてくれたらと思います。
    ガリガリになってしまったので油断してはいけないかもしれませんが、ひとまず安心しました。
    色々とお世話になり、本当にありがとうございました。
    お葬式などが終わり落ち着いたら、また輸液に伺いますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

    • ジュディーさん、ジュディーが少しでも食べるようになってよかったです。予約の件は了解しました。

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