はりねずみ通信

18歳のビッグバン2

先日紹介した「18歳のビッグバン」を読んだ感想のつづきを書きたい。
この本の主題は、著者が見えない障がいを抱えて生きることに苦悶し、社会とのつながりを見いだしていくところにある。
この本を読んで、私は障がいを持っている方に対する考えが大きく変わった。

障がい、といってもさまざまなものがある。
私は今まで、
「身体が不自由な方には、親切にしなければならない」
というような、道徳的な感じ方で接していたように思う。ある意味、そこで線引きをし健常者との境(さかい)を作っていた。
しかし、障がいの程度は人それぞれで、この本の著者のように外見からは見えないものもある。社会は健常者のために作られているようで、そういった人のさまざまな差を「ないもの」とし、ますますスピード化し、効率的になっていく。
その人その人の抱える障がいの程度を個別にみていく余裕はない、と言わんばかりだ。

著者の小林さんは、大学受験をしようと何度もチャレンジするが、脳の機能障害で左から右に文章を読んで、下の段に移るときに段落を判別することが難しく(すみません、どんな感じなのか想像もできない・・)、問題文を把握するのに時間がかかってしまう。
だれかに問題文を代読してもらうとか、特別に時間を多く設定してもらうことは、当初「前例がないから」と断られていた。
それが、周囲の協力で、少しずつ認められてゆく。
つまり、障がいがある人やその周囲の人が懸命に声を上げないと、社会は動いてくれないのである。

それほど社会は余裕をなくしているのだろう。
目に見えないことに想像力を働かせることができない社会について、本書を通し、私ははっきりとその不健全さに気がついたのだった。

思えば、身体的な障がいだけでなく、人は個別にさまざまな「見えない問題」を抱えて生きている。今の社会は何も問題がない人のための社会と言っていい。それぞれに寄り添うことができるかどうか。成熟した社会をめざすのなら、そこを避けては通れない。

「18歳のビッグバン」は、個人のすさまじい体験を通して、社会に大きな問題提起をする本なのである。

 

 

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みみかげ

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