はりねずみ通信

脊髄造影2

昨日PLDD(経皮的レーザー椎間板除圧術)を行ったシーズーのルイちゃんは、脊髄造影が有効だった。

15歳のルイちゃんは、以前から「すこし足腰が弱い」と飼い主のKさんが言われていたが、先週から歩行困難が悪化し、ついに立てなくなってしまった。

身体検査や諸検査で、腰椎の椎間板ヘルニアが疑われた。
検査のためMRIを行うべきかもしれなかったが、心臓が悪いために2時間近く麻酔をかけることが心配された(MRI検査は、画像を得るために時間がかかるのである)。

そこで、相談の結果、脊髄造影検査で診断をし、PLDDを行うことにした。
麻酔は導入にオピオイドと少量のプロポフォールを用い、気管挿管後、オピオイドの持続点滴と少量のガス麻酔(セボフルラン)で維持した。
脊髄造影は、腰椎の後方に脊髄造影針を入れ、Cアームレントゲン透視下で造影剤を注入していく。すべての脊髄が造影されるまで、5分もかからない。

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黒く染まっているところが、脊髄の輪郭。椎間板が下側から突出し、神経が圧迫されていることがわかる。腰椎の多発性ヘルニア(ハンセン2型)であった。

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PLDDを行う。椎間板に脊髄針を挿入している画像。正確に髄核(椎間板の中央部)に針を刺すのがとても重要である。

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その針の中にレーザーファイバーを挿入し、レーザー照射を行って椎間板の内圧を下げる。ちょうど膨らんだ風船の空気を抜くようなイメージである。ルイちゃんは、腰椎9ヵ所にPLDDを行った。

麻酔導入、消毒、脊髄造影、9ヵ所のPLDDで要した時間は36分ほどであった。
ルイちゃんは麻酔の覚醒も早く、夕方からは普通に食事を食べた。

「高齢の犬だから麻酔がかけられない」「手術ができない」ということはない。
できるだけ短時間に、低侵襲で治療することで、以前には治療不可能と言われていた病態でも、治療が可能になることもあるのだ。

 

 

「脊髄造影2」への4件のフィードバック

  1. 先生、こんにちは。

    返信ありがとうございました。今日の多発性ヘルニアの画像、驚きました。こんなにたくさん飛び出てしまうのがあるんですね。

    椎間板の中央部に針を刺す画像もすごいです。!想像してたのと違いました。小さい針でちょこちょこするもんなのかと思っていました。

    胴体に刺さっているのは針なんですよね?。ものすごく長いんですね。

    たくさん刺さっていて、患者さんにごめんなさいですが、はりねずみのよう
    です。

    この治療後は何かリハビリとかもするんですか?質問ばかりですみません。

    なかなか見れない画像ありがとうございました。どんなふうに治療している

    のかわかると安心できますね。短時間というのがすごいです!高齢だからと

    か持病があってとかで諦めてしまっていた動物には明るい光ですね。

    1. まきあさん、椎間版は背骨の中心部にあるので、体の深い部分に針を刺します。大根の中に大豆が埋まっているとして、それを刺す感じですね。PLDDの場合はヘルニアが減少するまで1ヵ月ほどかかるので、リハビリもしますよ。

  2. 先生こんばんは!
    ルイちゃんが、早く良くなりますように、祈っています。
    我が家は先生に泣きついた日から、ちょうど2年経ちました。月日の速さにただ驚きます。平穏な日が戻った今日この頃、2年前を思い出しては毎日感謝です。
    チッチがヘルニアと診断される前、MRIでなければ原因がわからない、と言われました。でも、脊椎造影でこんなにハッキリわかるのですね・・・勉強になります
    先生、毎日寒いので、お風邪に気を付けてくださいね

    1. usagi158さん、もう2年になるんですね!MRIはすばらしい検査法ですが、小さな動物ではきれいな画像が得られない、時間や費用がかかるなど、万能とは言えません。状況に合った検査法を選ぶのがいいと思います。
      ぼくは幸い風邪など引かず元気にしています、usagi158さんも元気でお過ごし下さいね。

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