はりねずみ通信

来年へ

木島櫻谷の絵を観に行った話を書いた。
彼の大切にしていた養拙(ようせつ)、すなわち「子供の頃の素朴な心を守り、大切に養うこと」という言葉が、ずっと心に残っている。

実は櫻谷の絵は、時の文豪、夏目漱石に痛烈に批判されている。
新聞に掲載された漱石の評は、「そこまで言うのか」と思うほど、辛辣なものだった。
動物の中に人間性を見るような絵は、合理的な精神を持つ漱石の目には「甘い」と写ったのだろう。
(私はそうは思わない)

それにもめげず、櫻谷は淡々と絵を描いていく。
歳を取ったときの自画像があるが、絵筆を持って遠目に自分の絵を眺めている姿は、恍惚として幸せそうである。

わたしもあんなふうに歳を取りたい。
小学校の時、飼っていた文鳥を自分の責任で亡くして、動物の病気が治せるひとになりたいと思った。
紆余曲折があり、今に至るが、大人になると世事にまみれて「根本」は薄まっていく。
心を守る、大切に養う。
それは人の批判や、誰かからの評価に依らない強い意志と、日々の鍛錬が必要であろう。

来年も根本を見つめながら、自分に厳しく、でも楽しんでやっていきたい。


IMG_7495
わたしのせき



 

「来年へ」への6件のフィードバック

  1. 漱石には、彼の個性が伝わらなかったんでしようね。。^_^芸術、絵とかって受け入れられる、受け入れられないってありますものね。他人になんと言われようと、自分を信じて自分の好きな事、信念を貫き通した人生を送るのって強い精神がないと出来ないと思います。自分の人生を振り返って、満足できる達成感を持てたら幸せですね。羨ましいです。

    1. まきあさん、結局自分を知っているかどうかどうかが鍵なのだと思います。それが一番難しい。それをできたひとが、幸せになるのでしょうね。

  2. 自分が打ち込んでる事を酷評ですか⁈
    しかも新聞でなんて…心が折れそうですね
    それを救ったのも絵なんでしょうね
    信じた道をコツコツと♡
    先生の得意分野ですね(^^)
    私も見習わなきゃ!と思った師走の1日でした

    1. ルンルンさん、そうですね。長い時間がかかっても自分で納得しながら続けることしかないのだと思います。

  3. 先生、こんばんは!
    「養拙」恥ずかしいですが、初めて聞く言葉でした。。
    「拙」が一字付くだけで、つたない事、幼い事を表しているのですね。
    私も木島櫻谷さんの動物画を見に行ってみたいです。。
    カレンダー、ありがとうございました。。
    来年度は、パグさんがいなかったのが、残念でしたが、
    可愛いワンコばかりでした。。

    今年もお陰様であんこ、きんが元気に過ごすことが出来ました!
    来年も宜しくお願い致します。。

    良いお年をお迎えください。

    1. きなこさん、カレンダー届きましたか。ことしも皆元気で!
      本年もどうぞよろしくお願いします(^^)

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