はりねずみ通信

本気で教える、本気で学ぶ

台湾に腹腔鏡手術の講師として参加してきたことを書いた。
正直に告白すると、セミナーが終わったあと、私はまっすぐ家に帰らなかった。一昨日の夜、東京のサントリーホールでどうしても聴きたいコンサートがあったからである。だから、台湾から東京へ向かったのだ。

メナヘム・プレスラーというピアニストがピアノ・リサイタルを行った。
これを聴き逃すと永久に聴くことがでできなくなる。そんなコンサートは滅多にない。だが、プレスラーの年齢が93歳ということを考えると、来年聴ける保証はない。事実、昨年は病気のため予定されていた日本公演は、すべてキャンセルになっていた。

彼は90歳になるまで弦楽三重奏ボザール・トリオのピアニストとして音楽活動を行っていた。
そして、90歳でソロデビューした、という驚くべき経歴の持ち主である。
世界中が彼の演奏に注目した。それは、これだけの高齢で難しいピアノ曲が弾けるという驚きではなく、比類ない音楽性について、だった。

10月16日のサントリーホールでのリサイタルは、モーツアルトやドビュッシー、ショパンなどの曲が演奏されたが、一言で言うと無垢な(言い換えるならば限りなく瑞々しい)演奏なのである。彼の手から、まさにその瞬間はじめて生まれたような音。これが90歳を超える人間から紡ぎ出されることは、本当に信じがたい。

彼に関する本が売られていたので、買った(メナヘム・プレスラーのピアノレッスン、ウイリアム・ブラウン著、音楽之友社)。
まだ少ししか読んでいないが、プレスラーの音楽が決して自然に生まれたものではないことがわかる。
自分のピアノのための膨大な練習時間を確保しながら、彼は50年間生徒のためのレッスンを行っていた。生徒の一人がレッスン内容の詳細をメモに残していたものをまとめたのが、この本である。

彼は生徒を選別した。
音楽に対する愛情と、音楽に生活を捧げる強い意志。それが認められない人は、レッスンを受けることはできなかった。
生活や態度、自己の規律、「手ができている」かどうか、それに知的なこと。
そういったことが、受け入れるための条件だったという。レッスンも非常に厳しかったのだそうだ。

翻って、自分のことを考えた。
今回、台湾のセミナーで、医師のH先生がこんなことを言われた。
「私は皆さんのことを本気で教えます。皆さんも本気で学んでください」

私は3年以上、H先生から指導を受けていて、先生が本気であることをいつもひしひしと感じている。
私はすべてを捧げ本気で学んでいるか、誰かに本気で教えることはできるか。

メナヘム・プレスラーの生き方と重ねて考えた。

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