はりねずみ通信

早期発見・早期治療

医療では早期発見・早期治療がいいと言われている。
とくに動物は言葉を話せず、自覚症状を訴えないため、発見が遅くなりがちである。
また、人間より痛みや苦痛に耐える傾向にある。元気なように振る舞うため、病気の徴候を見逃してしまう。

痛みや苦痛に対し、鈍感であるわけではない。
おそらく野生の本能から、大騒ぎすると外敵に狙われると知っていて、表現しないだけなのだ。

動物医療に携わっていると、動物が「我慢している」ケースには、枚挙に暇(いとま)がない。
たとえば、前十字靱帯の部分断裂。
足をかばうので痛み止めなどを処方すると、すぐ普通に歩くようになる。でも、靱帯は傷ついていて、少しずつ靱帯が切れていき、最終的に完全断裂になる。以前はその時点で発見されることが多かった。
その他では、椎間板ヘルニア、卵巣子宮疾患、胆嚢疾患・・。
先日セミナーで話があったのは、尿管結石である。
腎臓から膀胱へ尿を送る「尿管」に結石が詰まることがある。人間だと冷や汗をかいて、痛みで歩けなくなるほどだそうだが、犬や猫は見た目ではわからないことが多い。「ちょっと食欲がない」「あまり元気がないな」というような軽い症状で終わることがある。片側の腎臓が機能しなくなっても、生きていけるので、「反対側の尿管が詰まってはじめて発見される」というケースが、実はとても多いのだ。

人間の医療で治療がはじまるレベルと、動物のそれでは、動物のほうが明らかに遅い。重症化してから治療がはじまれば、当然治癒率も低くなる。ちなみに、人間の胆嚢摘出術の周術期死亡率は0.03%。犬では20%以上である。

だから、病気じゃなくても動物病院へいく、くらいでもいいんではないか。先日、セミナーの講師の先生ともそんな話をした。

早期治療の要(かなめ)は、低侵襲治療だと思っている。
できるだけ動物を傷つけずに治療しなければ、見かけは元気に見える子を、だれも手術しようと思わないからである。

そのためには、手術の絶対的な安全性が必要だ。
それを追求していきたい。

個々の病気に関しては、明日以降に。

 

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それぞれ

「早期発見・早期治療」への4件のフィードバック

  1. 飼い主に出来ることの1つ『早期発見!』と思ってメモ書くようになり約9年か10年(茶豚から)
    blogでススメたりしてたんですが犬が元気だと浸透せず(笑)私もメモ忘れが多かったりです( ̄▽ ̄;)アハハッ

    早期発見がどれだけ大事かわかってはいるものの『気のせい?』『大丈夫かな?』って思ってしまうことも多くて……

    見すぎて『戦うか!』とファイティングポーズとられたり、考えすぎて白髪増えたりしながらも早期発見を心がけていくつもりです(´∀`)ゝ

    ふふふっ、金井先生も角谷から角ちゃんに変わりましたね(笑)では次回からは受付で角ちゃんの休み聞いて帰ります♪

    1. 姥桜さん、何にも異常がなくても時々動物病院へ行ってみるのはいいと思います(別に宣伝ではないですよ!)。

  2. 流石!先生!
    動物達の気持ちも!飼い主さん達の心も分かってらっしゃる。。
    言葉を話せない動物達には、心配し過ぎで、ちょうど良いですね。
    姫路に、先生みたいな方がいて下さる事に、感謝です。。

    1. きなこさん、動物病院は気楽に来ることができる場所、というのがいいですね。心配を減らすことができるようにしたいです。

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