はりねずみ通信

拡大視野

動物にはさまざまなサイズがあり、手術の難易度も変わってくる。
同じ手術でもチワワと柴犬では大きさが全くちがうので、術者の「見方」と「手の動かし方」は異なってくる。
小さな動物では、目を凝らし細部を見るし、手はわずかしか動かさない。

腹腔鏡手術では、カメラで患部を見るので、目は凝らさなくてよい。カメラの性能が高くなっていて、モニターに映った画面は、チワワでもセントバーナードでもほとんど同じである。

昨日は、腹腔鏡下胆嚢摘出の手術を見学するため、二人の獣医師が来院されていた。
ひとりの先生は、手術途中から入室されたので、動物の大きさがわからなかった。手術の時は、ドレープが全域にかかっているので、動物の姿は外から見えないのである。

手術のあいだは、手術室にいる人はモニターを見ている。胆嚢管を剥離したり、肝臓から胆嚢を外す操作を細かいところまで全部「見られる」。(実は手術するものにとっては、すごいプレッシャーなのだ)
手術が終わり、ドレープを外すと犬がチワワだったので、あとから来た先生は驚いていた。
「わー、こんな小さな犬だったんですね」
つまり、モニターを見ているだけでは、獣医師であっても大きさがわからないのだ。

これが腹腔鏡手術の最大の利点だと思っている。
小さな動物でも、患部を拡大することにより、臓器を愛護的に扱うことができ、解剖学に基づいた正確な処置ができる。拡大視の効果は、とても大きいと思う。

ところが、術者やカメラ係、助手などにかかる負担は相当大きい。
目で見ると拡大されて大きく見えているが、人間の手は小さくなるわけではない。手の動きが大きく反映される。つまり、「ちょっと動かすだけで、すごく動いてしまう」のである。

終わったあと、カメラ係だった看護師の福嶋はぐったりしている。
「どうしたの?」
「手術の間、カメラをきちんと操作するのに疲れてしまって・・」
それもそうだろう。

でも、手がきちんと動いて、繊細な器具があれば(これにはまだまだ課題が多い)、どんなことでもできる。治せなかった病気も治せるようになる。それを目標に進んでいきたい。

自分の手が、どこまできちんと動くか。それには身体性の問題がかならず付随する。
いまは毎朝、トレーニングのため7.5cm四方の千代紙で折り鶴を2−3羽ずつ折っている(トレーニングボックスで)。最初は1羽折るのに1時間近くかかっていたが、先日はじめて10分を切った。
遊びのように見えるが、結構まじめなのだ。

 

IMG_7335
ふたり

 

 

「拡大視野」への2件のフィードバック

  1. 検診ありがとうございました。
    血液検査すべて正常範囲内でホッとしました。
    ハランはこの一年お陰様で春にフィラリアの検査に受診しただけで、術後一年なので健康診断
    していただいてよかったです。
    ハランが我が子になってから、2か月に一度外れるくらいですが右足は気になっていたのです。
    年々、老化に向かって行くので去年より、状態が良くなっているはずはないですものね。
    飼い主が検診に連れていき、獣医さんに診ていただき早期治療が出来る。
    そして、近くに低侵しゅう医療、関節鏡手術を
    していただける先生がいてくたさりよかったです。
    技術向上のために日々の努力や、研修会で勉強されて尊敬します。
    おばさんに尊敬しますと、言われても何もならないですね(((^_^;)

    去年は、家の犬ばかり…
    と、思っていましたがプードルには持病だと思い治療出来ると気持ち切り替えました。
    でも…やはりハランが痛い思い、淋しい気持ちになるのだなぁと、親心の心配はあります(((・・;)
    宜しくお願いします。

    1. もあの母さん、尊敬しますといわれたら、うれしいですよ(^^)
      早期に発見して治療できる病気はたくさんあります。寿命が延びたらメンテナンスが必要なのは、人間も動物も同じですね。
      体の負担が少ない手術をしようと思います。

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