はりねずみ通信

手段としての低侵襲

動物の体に負担が少ない治療法を、といつも考えている。
けれど、低侵襲治療は「目的」ではない。

お腹を開ける手術と、開けずに行う腹腔鏡手術では、腹腔鏡のほうがよいと単純には言えない。
なぜなら目的臓器によっては開腹術のほうが合理的なこともあるから、である。
深い位置にある臓器をカメラでよく観察し、的確に処置ができる場合は腹腔鏡で行うことが理にかなっている。
(しかし、これも行う人の「準備」が重要である)

動物の体への負担が少ない。
組織へのダメージが少ないので、術後の身体機能が損なわれにくい。
そのため、病気が進行する前の段階で治療をスタートできる(症状が少ないときに、大きな手術を受けたくないのは誰でも同じなので)。
あるいは、高齢であったり、身体機能が低下している状況でも施術可能になる。
それが低侵襲治療のアドバンテージである。

結果として、動物へのよいアウトカム(治療結果)が得られること。
そういう目的で、低侵襲治療は行われるべきであろう。
もし低侵襲治療以外の治療法がすべての面で合理的であれば、それを選択すべきである。

つまり、低侵襲治療はあくまで手段であって、それがゴールではない。


少し前、低侵襲治療に関心があると、ある人から連絡があった。
少し話を聞いていて、なんとなく違和感を感じた。
「腹腔鏡やPLDDは、動物病院の強みになると思うんです」
「他の施設との差別化のために・・」

これから動物病院をスタートさせる人なら軌道に乗せたいのは当然なので、こう考えるのあたりまえである。
だから、決して責めるつもりないけれど、「どうして違和感があるのかなあ」と考えてみると、先ほど書いたことがその理由になるのだと思い至った。

手段と目的を間違えると、スタートラインそのものが違ってしまう。
これは自分にも言い聞かせたいと思う。





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おはよ

 

「手段としての低侵襲」への1件のフィードバック

  1. こんばんは(*^^*)
    長く会計・財務の仕事に関わっていましたので、「合理化」や「差別化」といった言葉はよく使ってました。
    だけど、命を守っていただく一飼主の立場だと、あまり嬉しい言葉ではないですね。
    だけど、経営が成り立たなければ、手腕を発揮できないのも事実かもしれません。
    難しいですね。
    かない先生は理念をもって一手段として提示してくださるので、とても安心できます。
    いつもありがとうございます(*^^*)

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