はりねずみ通信

勇気

シューベルトの交響曲第8番「未完成」は、とても有名な曲である。
しかし(以前にも書いたが)、この曲は謎が多い。なぜ未完成に終わったのか。それについて、納得できる解説を聞いたことがない。

ある団体へ寄贈するためAという人に託したが、AはBというひとに渡したのち楽譜の行方がわからなくなった。それがシューベルトの死後発見された。
そんなストーリーである。
2楽章までしかできていない楽譜を、寄贈するだろうか?
なくなった楽譜を必死で探した様子もない・・。
なぞは深まるばかりである。

間違いなく言えることは、「未完成」は完成すればシューベルトの交響曲の中で傑作中の傑作になるはずだった、ということ。
1楽章、2楽章を聞くと、多の曲とは全く性質の異なる、革命的な曲であることがわかる。冒頭の悩み深いピアニッシモ、激しい感情をぶつけるようなフォルテ。このような深い精神性を表した曲は、彼の他の交響曲にはない。
最後に作った交響曲第9番「グレート」は、たしかに美しいけれど、内面を吐露したような表現は全くといっていいほど見当たらない。
だから、私は「未完成」は別の人が作ったか、悪魔の力を借りて創作したのではないかと考えている(詳しくは過去ログを)。

悪魔を登場させないとすれば、「シューベルトは未完成を完成させる勇気がなかった」というのが一番近いのではないか。
1、2楽章があまりにも素晴らしい。それは作った本人が一番わかっていた。
3楽章以降を作ろうとすると、当時の音楽形式では収まらない。何か(形式や表現手法)を破壊する必要があった。それが怖かったのではないか。そこで、途中で放り出し、今まで作ってきた交響曲の延長線上の9番に進んだ・・。そんなふうに想像する。

天才のことを勇気がない、と批判する資格は当然ないが、何度聴いても「惜しい」と思う。

壁に突き当たったとき、迂回するのか、壁を壊してでも先に進むのか。
皆さんならどうしますか?



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ささやかなクリスマス




「勇気」への2件のフィードバック

  1. シューベルトの未完成のお話し面白いです。余りにも良く出来すぎてたから、次の章は考えて悩んで後回しにしてしまったのでしようか。?どこかで発見されたら凄いですよね。

    1. まきあさん、実は第3楽章の草稿は発見されています。でも、駄作なんだそうです。だから、やめちゃった、というのが近いのだと思います。

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