はりねずみ通信

2015.09.09

キジバト

子供の頃、妹と一緒にキジバトの声をまねて歌った。母はそれを聞き、
「ほんとにそんなふうに歌ってるの?」
といぶかしげな表情だった。子供が歌ってみると、必ずリズムがついてしまい、本来のキジバトの鳴き方から遠ざかる。キジバトの歌うメロディーは、楽譜にはできないような不思議な抑揚なのである。

動物病院の中庭に、つがいのキジバトがよく来ている。いつも一緒で、仲睦まじい。おそらくモッコウバラの茂みの中に巣があるのではないか。
昨日も、木製の柵の上に2羽並んで、お互いに毛繕いをしていた。

私が子供の頃と、キジバトの鳴き声は変わらない。
そんなことは当たり前かもしれないが、考えてみるととても不思議である。
近年、地球は温暖化し、不変であると思われた気温は上昇している。人間が生きる期間はせいぜい100年だが、それくらいの幅の時間に気温の変化を体験した人類はいなかった。「夏が子供の頃より暑い」という事実は、恐るべきことなのである。

それなのに、キジバトの歌は変わらないのだった。不変をつらぬく自然もあるのだ。

もし、キジバトの鳴き声がどんどん変化していったら、どうだろう。
時代の流行により、ポップ調に影響されたり、ラップが入ったり。そうすると、キジバトの声の経年変化を研究する一分野ができるであろう。
世代間で自分の記憶しているキジバトの鳴き声を比べるのもおもしろそう。
「僕の子供の頃は、キジバトはこんな歌い方だったんだ。・・・歌えない」

 

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まえにみたような・・(これは昨日)

 

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