はりねずみ通信

カザルスの言葉

先日観た映画の中で、伝説のチェロ奏者カザルスのことが引用されたいた。
映画の中での話なので、本当にカザルスがそう言ったかどうかは定かでない。でも、そういったエピソードがあったから、映画に用いられたのかと思う。

映画の中のチェロ奏者は、学生の時カザルスの前で演奏することがあった。無伴奏チェロ組曲の中から2曲演奏したが、本人にしては「人生最悪の演奏」だった。
当然カザルスはいろいろ注意すると思ったが、実際は「すばらしい演奏だね!」と褒めちぎったという。

学生だったチェリストは、プロになり、カザルスと一緒に演奏することになった。
その時、彼はカザルスにこう不満を言った。
「あのとき、私の演奏は全然よくなかった。それなのに、あなたは手放しで褒めましたね。それは、誠意がないのではないですか?」
すると、カザルスは怒ってこう言った。
「私はあのとき、君の演奏が本当にいいと思ったんだ」
そして、チェロを出してきて、
「君はあのとき、こう弾いたんだ」
そう言い、学生だった彼の演奏をまねて、弾いて見せた。
「あのフレーズをそんなふうに弾くのは、とても興味深いと思ったんだよ」

多くの大人は、若い人のあら探しをする。
ここはもうちょっと、こうしたほうがいいよ。そこをそんなふうにするのは、よくないよ。
「ちいさな間違いや、悪いところの批判は誰かに任せておけばいい。すばらしいところだけを見ればいいんだ」
カザルスはそう言ったという。

映画に挿入されるエピソードは、その映画を引き立たせる。
たったこれだけの話で、たくさんのメッセージが伝わる。

学生だったチェロ奏者がそのとき弾いたフレーズを、何年後かに正確に弾けるというカザルスの才能。
どんなものの中からでも、いいところを見つけ出す能力。
天才と言われるひとには、それだけの理由がある。能力だけでなく、ヒューマンであること。
若い人に、失敗を恐れず、自分の「よいところ」に焦点を当て、伸びていってほしいというメッセージ。

それらのことが、短い逸話の中に含まれ、映画に深みを与えていた。



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