はりねずみ通信

まず始めよう

「顕微鏡手術の技法 超入門」(印東雅大著、MCメディカ出版)という本がある。
脳神経外科・形成外科医が顕微鏡手術の初歩を学ぶための入門書なのだが、序文がすごい。

「手術は術中の経験に基づく展開力(手術計画力とでも言おうか)、および顕微鏡下でのテクニックによって良しあしが決まる。経験がものを言う術中の展開力は若手の医師には当然ながらどうしても不利であり、それは経験を積み重ねた術者に勝ることはできない。(中略)しかし、顕微鏡下でのテクニックに関しては話は異なる。これは訓練をし続けることにより先輩方にひけをとらないほど、または凌駕するほどのテクニックを身に着けることが可能である」

つまり、これは若手医師による手引き書、なのである。
普通このような本は、その道のベテランが書くものであろう。まだ手術経験の浅い若い医師がこのような本を書いたことは、特筆に値する。

この筆者の考え方に、とても共感する。
腹腔鏡手術も技術の習得は、若手の獣医師でも可能だと思っている。

先日、勤務医の山口(今春に大学卒業)がこんなことを言う。
「腹腔鏡手術を学ぶ前に、ぼくはまだまだしなければならないことが多いんです・・・」
診断学の勉強、一般手術手技の訓練など、確かに優先順位を考える気持ちはわかる。
でも、私はあえて言った。
「もちろんそうだけど、腹腔鏡手術は早く学び始めるほうがいいよ。まず折り鶴をトレーニングボックスで折りなさい」(・・実際はこんなやさしい言い方ではないが)
学生の時の学び方より一歩踏み込む、「前のめり」な姿勢が臨床では重要である。もうちょっとがんばってほしかった。先の本の話もした。

昨日、
「折り紙折ってる?」
と訊いたら、山口はこう言った。
「このあいだ2時間以上かけて1羽折りました」
そのあとも練習し、1時間くらいで折れるようになった、とのこと。
「やっぱりまだまだ雑な手の動きなんで、直していきたいです」

とにかく続けてほしい。はじめなければいつまでもゼロだけど、はじめれば少しずつ成長できる。
彼の年齢で始めれば、どんなすごいラパロスコピスト(腹腔鏡外科医)になるのか。軽々と私を追い抜くだろう。
たのしみである。

 

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ほんとは仲が悪い同士、なのに・・

 

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