はりねずみ通信

2016.10.26

すごいひと

 自分には才能がないのではないか。
私はしばしば(かなり)そういう思いに苛(さいな)まれる。
世の中には優秀な人や才能の溢れる人がたくさんいて、やすやすと物事をこなしているように見える。

実際に才能がないと立ちゆかない職業もある。
たとえばコンサートピアニストになろうと思ったら、努力だけでは叶わないだろう。
学生の時に、相当な時間と努力を注ぎ込んで私は音楽にのめり込んだ。そのとき思ったのは、「才能がなければだめだ」ということ。

今私は、腹腔鏡などの外科手術をどう洗練させていくかを、毎日のように考えていて、自分でもトレーニングを続けている。ときどき、ふと頭に浮かぶのは、冒頭のような思いである。
そういうときに、気を取り直すには、こう考える。
「私のような才能がないものが取り組む過程は、きっと多くの人に役立つはず」
ということ。
そう思うと、やや救われる感がある。

腹腔鏡外科医の笠間医師が、
「世の中には偉い人はたくさんいるけど、すごい人はなかなかいない」
と書かれていた。
すごい人になりたい。
それには基本に忠実に積み上げていくしかない。

img_9296
練習の末、壊れてしまった鉗子(修理中)

 

3件のコメント

  • 先生が すごい人になりたいって…

    私が 今まで生きてきたうウン十年の中で 十分 偉くてすごい人だと思いますが   まだ なりたいなんて(-_-;)

    全然 向上心もなく 毎日過ごしているので 少し反省しました。

    これからも たくさんの動物の為に 宜しくお願いします。(*^_^*)

     

    • がくさん、欲のようなものではないつもりなのですが、「こういうふうになりたい」と思うことと現実のギャップに悩むことが多いんですよね・・。
      でも少しずつ進みたいです。医療のこと以外では、向上心はまるでありません^_^;

  • あれれれー
    すごい事になってしまったんですね。
    メーカーの方も驚かれたんじゃないですか(^O^)
    あっ、ここは泣くほうでした(>_<)
    練習はストップになってるのでしょうか。
    私達にとって、先生はすごい人なんですよ。
    私も、こんな足なのにバレーやレックスの散歩してると、すごいなといわれてます(笑)
    ん?かない先生と私では、すごい人の意味が違う?(^ω^)

  • 先生、月曜日はポォニョの外耳炎を見つけて頂きありがとうございました。飼い主と愛犬とは似るのでしょうか?私は9月に左の耳が痛くなり藤森院長先生に先天性じろうこうと診断されほぼ毎日通院してました。近いうちに手術しなければならず怖くてしょうがないのです!!今の藤森院長は90才で現役で頑張っておられますが手術はもう出来ず病院を紹介して下さるそうです。うみを出すのに切開したため院長に痛いめにあわせましたね!と言われ(涙)がでそうになりました、患者はすごい先生に巡り会う事が出来ると安心してお任せ出来ます。かない先生は常に前に前に進歩しようと考え努力されすごい先生です!!今後ポォニョに何かあってもかない先生にお任せ出来る安心感があり幸せに思います。でも私と同じ左耳!!笑っちゃいます。これからもお世話になります。宜しくお願いします。

    • 黒田様、動物の病気と飼い主さんの病気が同じことがよくあります。なぜだかよくわかりませんが、一度まとめて書籍にするのはどうかと考えるくらい。
      黒田さんの耳もよくなるといいですね。手術はきっと大丈夫ですよ。ポオニョちゃんの耳は、ぼくが治しますね(^^)

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